【5分でわかる】ミャンマーの世界遺産「バガン」とは。歴史と変遷をシンプルに分かりやすく解説します。

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

ミャンマーには「バガン」という、他に類を見ない景色が体験できる場所があります。幻のような景色のこの地は、観光地というだけでなく、多くの僧侶たちにとっても重要な場所です。今回は、政治や宗教、観光の渦の中心だった古都「バガン」の歴史と見どころをご紹介します。

バガンとは?

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

バガンとは、11世紀にビルマ族によって築かれた都市、及び遺跡群です。仏教の聖地として周辺の国々の僧侶たちが集まる、仏教文化の重要拠点でもあります。

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

古都バガンには現在も多くの寺院やパゴダが残っており、その数約3000基と言われています。広大な平地に幾千もの遺跡が建ち並ぶ光景は、まるで別世界です。筆舌に尽くしがたい景色とはまさにこの事で、写真栄えもするため多くの観光客が訪れる、ミャンマー屈指の観光地です。

パゴダって?

パコダ ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

パゴダとは、お釈迦様の髪の毛や骨などが納められている仏塔のことです。一般的に、「寺院」や僧侶たちが修行を行う「僧院」と並んで建てられています。

バガンの歴史

歴史 ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷バガンの歴史には様々な側面があります。ここからは、バガンの歴史を「都市」、「仏教の聖地」、「世界遺産登録」の3つのキーワードから掘り下げていきます。

都市「バガン」

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

バガンの起源は西暦850年に遡ります。この頃、現在のバガン(当時の名前は「パガン」)にビルマ族が築城し、874年にこの地は主要都市になりました。斯くして、パガン王朝が始まったのです。

ちなみに、「パガン」とは「ピュー族の集落」という意味で、「ピュー・ガーマ」という言葉が転じた言葉と言われています。ただ、この時代は王が変わると遷都されていたので、バガンは次の王の頃には放棄されてしまいます。

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

1044年、44代目のアノーヤター王が即位すると、再びパガンの地に目が向けられます。アノーヤター王は当時の王朝の出土品があることから実在していたことが確認されていますが、それより前の時代の歴史については伝説や言い伝えも含まれています。アノーヤター王は精力的に領土を広げ、1057年にはタトォン国を滅ぼし、統一王朝を築きました。

ところが栄枯盛衰、一度は華々しく栄えたパガン王朝も徐々に衰退し、幾度となく攻撃を仕掛けてきたモンゴルに吸収され、王朝の政治上の実権は失われます。そして、1364年にビルマのシャン族による侵略、14世紀にモン族の侵略を受け、パガン王朝は終わりを迎えました。こうしてバガンの地は政治の中心としての役割を終えたのです。

聖地「バガン」

仏教の聖地 ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷   バガンが仏教の聖地となったきっかけは、アノーヤター王のころ、タトォンからアラハンという僧侶がアノーヤター王に仏教を布教したことに起因します。アノーヤター王はそれまで有力であった大乗仏教の代わりに、上座部仏教を取り入れ、国民はそれ以降上座部仏教を信仰することになりました。これをきっかけに、上座部仏教が盛んなスリランカとの交流も始まるようになりました。

仏教の聖地 ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

そうして、徐々に仏教が根付いたことによりパガン王朝の歴代の王たちは、自分の権威を見せつけるように、たくさんの寺院や仏塔、僧院を建てました。その数は、全盛期には5000基を超えたと言われています。次第に、周辺の仏教国であるインドやスリランカ、カンボジア、タイなどから僧侶もたくさん集まりました。パガン王朝が滅びた後も、仏教の聖地という側面で見るとバガンは現在も繁栄し続けていると言えるでしょう。

世界遺産「バガン」

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷世界遺産登録に失敗していたバガンですが、2019年に登録されるはこびとなりました。なかなか登録されなかった理由としては、ユネスコの求めている遺産の元の姿を保全するという理念に反していたからでしょう。具体的には、修復に現代的なタイルを用い、仏像の周りを電飾で飾り付けてしまうなど、ミャンマー独自の自由な気質によってアレンジが施されていたのです。

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

こうした状態だったバガンが、なぜ世界遺産に登録されたのか、その転換点となったのが、2016年のミャンマー地震でした。この地震ではパゴダが損壊してしまいました。地震の少し前から政権の民主化に伴って、日本などの海外のチームに支援を要請していました。

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

この支援チームによって適切な修復がなされ、2017年に再び推薦し、2019年に晴れて登録されることになったのです。ちなみに、日本のチームは修復そのものだけでなく、日本ならではの綿密な事業プランを立てたという点でも貢献しました。こうして、バガンは様々な国の人の協力で、めでたく世界遺産登録に漕ぎ着けました。

バガンの見どころ

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

バガンの魅力は平原に点在している寺院や仏塔の数々です。それぞれの寺院の魅力もさることながら、広大な土地に佇む3000の建造物を眺めていると、異国情緒も相まってファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような感覚になります。仏教に精通していない方でも、この景色を見るためだけにミャンマーを訪れる価値は十分にあります。

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

日の出日の入りの時刻はより一層幻想的な空間になります。日の出を最も良い眺めで見られる場所が、オウリウム・パレスホテル敷地内のバガンビューイングタワーの展望台です。地上60mからの景色は圧巻です。また、熱気球からの景色もぜひ体験していただきたいです。上空ではまさに夢のような時間、忘れられない一日になることでしょう。

バガンへのアクセス

アクセス ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

バガンはヤンゴンからもマンダレーからも行くことが出来ますが、今回は一例としてヤンゴンから飛行機を使ってアクセスする方法をご紹介します。飛行機を利用すると長距離バスや列車での移動に比べ、所要時間約90分と格段に早く着きます。

アクセス ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷
バガンの空港は国内線専用で、「ニャウンウー空港」と言います。ヤンゴン国際空港から片道約1~2万円で、様々な航空会社が運航しているのでいつでもバガンへ行くことが出来ます。ニャウンウー空港からはタクシーで行くことになるのですが、バガンでタクシーに乗る際はぼったくりには十分注意して下さい。

事前に空港からバガンまでの送迎サービスを手配しておくと安心です。観光のメインとなるオールドバガンへは約10分で到着です。

まとめ

ミャンマーの世界遺産バガン 歴史と変遷

バガンは様々な歴史を持ち、今では宗教文化の重要拠点であり、オンリーワンな観光地となりました。ぜひ、バガンでしか見られない景色をその目で確かめてみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました