サイゴン川の光景とミスサイゴンが美味しい「M Bar」 - ホーチミンオススメのお店

サイゴン川の光景とミスサイゴンが美味しい「M Bar」

ベトナム南部にある、国内最大の商業都市がホーチミンです。 赤道にも近く、昼下がりには1年を通して灼熱の太陽が照り続けます。 ホーチミン市の人口830万人弱だったかな、日本の大阪より、少し少ないくらいなんですよね。 そのホーチミンで住んでいる多くのベトナム人の皆さん、今でもホーチミン市のことをサイゴンって呼んでいます。 そう、今の都市が陥落するまでの名称がサイゴンだったんです。

そのサイゴンの名を引き継ぐものはいくつかあるのですが、サイゴン川もその1つ。 海に接していないサイゴンで、涼を求める場所といえば、そのサイゴン川。 サイゴン川沿いを歩いていくと、交通量の多い道路に面して、乳白色の立派なコロニアル調の建物と遭遇します。 それが、マジェスティックホテルで、「M Bar」(エムバー)はホテルの8階にあるバーのことです。

スパイやジャーナリストの拠点だったマジェスティックホテル

このマジェスティックホテル、ベトナム戦争時においては、スパイやジャーナリストの活動の拠点として活用されていたそうです。 そう思うと、5つ星のマジェスティックホテル、歴史の証人としても5つ星なんでしょうね。 私がマジェスティックホテルの存在を知ったのが、ホーチミンに移住する遥か昔のこと。 ノンフィクション作家・小説家・写真家の沢木耕太郎氏の作品と出会った時。 一時注目を浴びた、深夜特急という作品でご存知の方もいるかもですね。

でも、私の印象に残っているのが、「一号線を北上せよ」という一冊。 ベトナムを縦断する旅行記で、その中にマジェスティックホテルが登場するのです。 マジェスティックホテルは、沢木耕太郎氏のお気に入りのホテルでした。 そして、滞在の時には、頻繁に「M Bar」を訪れていたそうです。

最高のシチュエーション「M Bar」

当時、バーを訪れた沢木耕太郎氏、バーテンダーから、このバーは「ブリーズ・スカイバー」という名前がついていると教えられたそうです。 正式な名前だったのか通称だったのかは分かりませんが、ブリーズの意味はそよ風なので、そよ風なびくスカイバーといったところなのでしょうか。 沢木耕太郎氏は、当時の「M Bar」にいくたび、テラス席に座って、サイゴン川を眺めていたそうです。

私のイメージは古き良きサイゴンにあるテラスバーなのですが、現在「M Bar」は、数々のガイドブックで紹介されているナイトスポットとなっています。 この「M Bar」、ホテルにあるルーフトップバーとしては、比較的気軽に行けるスポットで、日本人観光客の姿もどんどん増えているようです。 ただ、日本人の皆さんは、日本流時間の呪縛(?)に縛られている方も多いようで、カクテルなどを一気に飲んで、美しい夜景はちら見で終了、後はおしゃべりして退出なんてもったいないことを。 東南アジアは、ゆったりとした時間を楽しむ場所なんですけどね、せっかく「M Bar」という、最高のシチュエーションを手に入れたのに、残念だなぁって思ってしまいます。

サイゴン川はマジェスティックホテルのテラスバーから

昔、何かの本で読んだのか、TVの旅番組で見たのか、サイゴン川を見るなら、マジェスティックホテルの「M Bar」のテラスから見るのが、最高に素晴らしいという話し聞いたのを思い出します。 その理由は、「M Bar」のテラスの目前が、サイゴン川が大きくUの字にカーブするスポット。 ここから見るサイゴン川の姿が、圧巻なんですよね。

沢木耕太郎氏がマジェスティックホテルに魅了された原因は、産経新聞の元サイゴン特派員だった故近藤紘一さんの著作を眼にするようになってからとか。 そういえば、私がベトナムに来たこともないのに、「M Bar」からの光景を知っていたのは、この故近藤紘一さんが、命をかけてサイゴン陥落時の取材をした、その当時を取り上げたTV番組だったような。 その光景は、「M Bar」から見た昼間のサイゴン川、サイゴン陥落時の写真やフィルムが一緒だったせいか、何故か強烈に印象に残っているんです。

あれから40年以上、サイゴンの風景も大きく変わってしまいましたが、サイゴン川の流れはずっと一緒なんですよね。 でも、遥か昔の出来事のように思っていたのが、サイゴン陥落からまだ40年しか経っていない、ホーチミンをサイゴンと呼ぶ人が多いのも納得できます。

お洒落なカクテル・ミスサイゴン

「M Bar」と、カクテルのミスサイゴンは切っても切れない関係にあります。 ミスサイゴンは、マジェスティックホテルのテラスバー(昔から「M Bar」と言う名前だったかどうか)のオリジナルカクテルで、創業当時からあるものなんですよ。 テイストは、東南アジアにあるバーでは、カクテル定番の甘めのお味。 このカクテル、お酒好きな男性にとっては、あまり好まれていないようです。 最近では、お酒も甘いものも両方好きな方がおられますが、たいていが甘いものが苦手。 この甘いカクテルは、お口に合いにくいようですね。

どちらかと言えば、女性がお好きなカクテルだと思います。 ベースとライムとリキュールのシンプルなカクテルなんですけどね。 私風アレンジのミスサイゴンなら、ベースは南国イメージのラム、ライムはアクセント程度にして、リキュールはココナッツリキュールかな。 いかがでしょうか、「M Bar」でオーダーなさってみては。 沢木耕太郎氏も、ここでミスサイゴンを飲まれているのですけどね、勝手にアレンジしたら怒られてしまうでしょうか。 でも、カクテルって自由奔放な飲み物で、個人の好みの味を見つけるもの楽しみなんですよね。

M Bar - 店舗情報

店舗名:M Bar(エムバー) (マジェスティックホテル8階)
住所:Hotel Majestic Saigon 1 Dong Khoi St. Dist.1. Ho Chi Minh 営業時間:16時00分~翌1時00分
電話番号:(028)38295517
休日:無休
予約:可
喫煙:喫煙可
HP:http://www.majesticsaigon.com.vn

まとめ

いかだだったでしょうか、今回はマジェスティックホテルの中にある「M Bar」のご案内でした。 作家の沢木耕太郎氏とのイメージと結びつけてお話を進めました。 「一号線を北上せよ」という旅行記の中で、マジェスティックホテルもテラスバーもミスサイゴンも、全てが登場しているんですよね。 海外旅行において、お気に入りの小説や旅行記に出てくる場所に行って、イメージを重ね合わせてみるっていうのも素敵でたのしいです。