バンコク市内を一望!黄金寺院 ワット・サケット。「サケット」の以外な意味とは?歴史と由来をご紹介します。

黄金寺院 ワット・サケット タイには黄金の仏塔を持つ「ワット・サケット」という寺院があります。小高い丘の上の寺院からはバンコクを一望できるという特典までついてくる、バンコクの観光スポットです。今回は、黄金の丘とも呼ばれる歴史ある寺院、ワット・サケットをご紹介します。

ワット・サケットとは

黄金寺院 ワット・サケット

ワット・サケットは、「プーカオトーン」という名前でも親しまれているバンコク市内の寺院です。プーカオトーンとは「黄金の丘」という意味で、その名の通り小高い丘の上に建てられた黄金の仏塔が特徴です。輝くような仏塔の美しさもさることながら、仏塔からバンコクのパノラマビューも楽しめる観光スポットです。

ワット・サケットの歴史と名前の由来

黄金寺院 ワット・サケット

ワット・サケットはアユタヤ王朝時代から存在する歴史ある寺院です。元は「ワット・サケー」という名前でしたが、バンコク王朝とも呼ばれるチャクリー王朝時代が始まった1782年に現在の「ワット・サケット」という名前に改められました。「サケット」というのは、王室用語で「王の散髪」を意味する言葉です。

なぜ「散髪寺院」という名前なのか、その由来はチャクリー王朝誕生の時に遡ります。トンブリー王朝末期、チャオプラヤー・チャクリーは当時の騒乱を鎮静化しました。その後、チャクリーはラーマ1世を名乗り、王として即位することになりました。そして即位の儀式に臨む直前に散髪をしたのがここ、ワット・サケットでした。こうして、王の散髪を意味する「サケット」の名がついたのです。

ワット・サケットは後々のチャクリー王朝の王によって大規模に修繕されました。ラーマ3世は丘を作り始め、ラーマ4世は仏塔を建立し、ラーマ5世の手によって現在の姿になりました。

仏塔までの道のり

黄金寺院 ワット・サケット

黄金の仏塔までには344段もの螺旋階段が待ち構えています。炎天下のバンコクで344段を登り切るのは大変そうですが、階段の段差は低く緩やかなのでスムーズに登れば5分、ゆっくりと登っても20分程ですので、あまり気負わずに登りましょう。

黄金寺院 ワット・サケット

仏塔まで登るためには拝観料が必要なので、入り口で50バーツを払ってチケットを買います。仏塔にはトイレがないので、階段を上る前にトイレは済ませておきましょう。入り口などにはミストシャワーが出ているところがあり、なんとも涼しげです。また、入り口にはあの有名な「見ざる言わざる聞かざる」の猿の石像が佇んでいます。

黄金寺院 ワット・サケット

登り始めると、大きな鐘が無数に並んでいるのが見えてきます。これらの鐘はそれぞれ違う音がするので、鳴らしながら進むと楽しげです。鐘には煩悩を払い、徳を積むという意味があるので、静かに瞑想する気持ちで音色を楽しんでみましょう。また、大きなドラが設置してあるので、こちらも鳴らしてみましょう。迫力の重低音がお腹にまで響いてきます。

黄金寺院 ワット・サケット

また、至る所にお地蔵様がいらっしゃるのですが、このお地蔵さまたちの表情がよく見かけるものと比べて少し独特です。なんと微笑んでいるのではなく、大きな口を開けて大笑いをしているのです。ぜひ、変わっているけれど愛嬌たっぷりのお地蔵様たちにも注目しながら階段を進んでみてくださいね。

仏塔とバンコクのパノラマ

黄金寺院 ワット・サケット

頂上に着いたらまず、仏塔に入ってみましょう。通常、寺院では靴を脱いで上がるのがマナーですが、ここでは靴を脱がずに入ります。仏塔内の仏殿には、スリランカから献上された黄金の仏舎利(お釈迦様の遺骨)が収められています。仏塔内では金箔が購入でき、この金箔は涅槃像や釈迦座像に貼るのが習わしです。

黄金寺院 ワット・サケット

そして仏塔内部の急勾配な階段を上ると、そこには黄金の仏塔頂上部と眼下に広がるバンコクの街並みがあります。バンコク市内を一望できる空中の回廊からは、ビルの間からエメラルド寺院と呼ばれる「ワット・プラーケオ」、天気が良ければ遠くに暁の寺「ワット・アルン」などが見えます。また、広々とした本堂も大きな黄金の仏像と壁面の地獄絵図などの見どころがあります。

夕焼け、夜景の仏塔

遠目で見たワット・サケットは昼間もインパクトのある寺院ですが、時間帯が変わると見え方も変わります。バンコクの街が日暮れに差し掛かると、より貫禄を兼ね備えた姿になります。沈みゆく太陽の逆光で見たワット・サケットは重厚な黄金に照らされ、そこには確かな風格があります。

ワット・サケットのもう一つの姿は、夜間のライトアップです。黄金の仏塔がよく映えるシンプルな色のライトアップで、煌々と輝く様子が幻想的です。暗闇に黄金のシルエットの対比がなんとも美しい寺院です。

年に一度の赤い仏塔

黄金寺院 ワット・サケット

タイでは毎年11月になると、「ロイクラトン」という灯篭流しのお祭りがあります。このお祭りの時期にはいつものワット・サケットの姿が一転、真っ赤な布で覆われます。

これは「ホムパーデン」という儀式で、仏塔を包む赤い布に自分や家族の名前を書いて祈ると幸せになれると言われています。11月は乾季にあたるので過ごしやすく、観光客も大勢訪れます。

ワット・サケットへのアクセス

黄金寺院 ワット・サケット

徒歩でアクセスする場合は、カオサン通りから約15分、王宮からは約25分です。タクシーなどで行くこともできますが、水上バスもおすすめです。

黄金寺院 ワット・サケット

水上バスの場合、センセープ運河水上バスでプラトゥーナムのボート乗り場から、パンファー行きの便に乗り、終点すぐの橋を左に渡れば到着します。

ワット・サケットでの服装

黄金寺院 ワット・サケット

他の寺院同様、ワット・サケットでは肩の出る服、ミニスカートや半ズボン、ショートパンツなどの服装といった露出の多い恰好はNGです。また、タイでは軍人以外の人が迷彩服を着ると、3か月以上5年以内の禁固刑になるので気を付けましょう。

まとめ

黄金寺院 ワット・サケット

ワット・サケットは黄金の仏塔と辺りを見渡せる抜群の眺望という1度に2度美味しいスポットです。ぜひ、黄金の仏塔を間近でも遠くでも眺めてみてくださいね。

The Golden Mount (Wat Saket)
344 Thanon Chakkraphatdi Phong, Ban Bat, Pom Prap Sattru Phai, Bangkok 10100 タイ
7時30分~19時00分