タイで最も格式の高い”王宮寺院”ワット・プラケオ。バンコクという都市の歴史と変遷を交えてご紹介します。

ワット・プラケオ(別名「エメラルド寺院」)は、タイの国民にとって信仰を捧げるための特別な場所です。ワット・ポー、ワット・アルンと合わせてバンコクの三大寺院のひとつとされています。

今回の記事では、そんなワット・プラケオの概要や歴史、観光情報も含めて役に立ちそうな知識をまとめてみました。バンコク旅行でワット・プラケオへの観光を考えている方は是非チェックしてみてください!

ワット・プラケオとは?

王宮の敷地内にあるワット・プラケオは、王族専用の王室寺院で、タイでは最も格式が高い寺院とされています。そのため寺院内には僧侶がいないのが特徴です。「エメラルド寺院」と呼ばれる由来は、本堂に祀られている翡翠でできたエメラルド色の仏像から取られたもの。1782年、ラーマ1世が王朝の都をトンブリーからバンコクに遷都した時に王宮とともに建てられました。

ラーマ1世は遷都と同時に新しい王朝(現在のチャクリー王朝)を開き、その王朝の護国寺として建てられたのがワット・プラケオなんです。なお、現在のタイの国王「ワチラロンコン国王」はラーマ10世となります。

ワット・プラケオの見どころ8選

ワット・プラケオに行ったのなら絶対に見逃せない必見ポイントに絞って解説しましたので、事前にチェックしてみてくださいね!

① エメラルド仏

ワット・プラケオにおける一番の必見ポイントと言ってもいいエメラルド・ブッダ。エメラルドの色をした翡翠でできていてその色の輝きはとても美しいです。またこの仏像がタイの国民にとって特別な信仰の対象となっているため、ワット・プラケオには観光客だけでなく、タイの一般参拝客も多く訪れています。

ちなみにこのエメラルド仏、年に3回(3・7・11月)季節に合わせて衣替えをすることで有名です。衣替えの儀式はタイ国王自らが執り行い、国中が盛り上がる一大イベントとなっています。堂内は撮影禁止となっているので、仏像の姿はしっかりと目に焼き付けてきてくださいね。

② 回廊の壁画

回廊の壁画にはインドの有名な叙事詩「ラーマーヤナ」をタイ風にアレンジした「ラーマキエン物語」を題材にしたストーリーが描かれています。178枚もの壁画は、細かく描かれており、色彩も鮮やかで美しいのでこちらも必見です。

③ プラ・モンドップ

ラーマ1世が建てた、仏教の経典「トリビタカ」が納められた書庫です。見学は外観のみになりますが、建物に金色とエメラルド色が使われていて、そのコントラストは大変美しく一見の価値あり!壁面の装飾の一つ一つが異なる仏像のモザイクでできている点にも注目です。

④ アンコールワットの模型

かつてクメール王国(現カンボジア)はタイの属国でしたが、そのクメール王国のアンコールワットに感動したラーマ4世が造らせたものだと言われています。アンコールワットの実物を見た方でも驚くほどの精巧さでできていると評判です。

⑤ プラ・シー・ラタナ・チェディー

スリランカ様式で造られた、寺院内でもひときわ目立つ仏塔です。ラーマ4世がアユタヤのワット・プラシー・サンペットを模倣して造らせたと言われています。内部は非公開ですが、その中には仏舎利(仏陀の遺骨)が納められているんだとか。黄金色の仏塔はタイの寺院を象徴するような輝きを放っています。

⑥ プラサート・プラテープ・ビードン

プラ・モンドップの横にある十字型の建物です。別名を「ロイヤル・パンテオン」といい、ラーマ1世からラーマ8世までの歴代の王様の像が安置されています。内部は非公開です。特徴的なのは古典的なタイ様式の建造物に、クメール用式の仏塔が取り付けられている点です。また近くには「ラーマキエン物語」に登場する半人半鳥「ギンナリー(男)」と「キンリー(女)」の黄金像もあります。独特なポーズで立つ、綺麗な黄金の姿を是非ご鑑賞ください。

⑦ プラ・スワナ・チェディー

1対の黄金の仏塔がプラサート・プラテープ・ビードンを挟んで建てられています。ラーマ1世が両親のために建てたと言われる、ワット・プラケオで一番古い建造物です。現在見られる仏塔はラーマ4世の時代に再建されたものです。見どころは、台座を支えるヤック(鬼神)とモック(猿神)。緑がヤック、白がモックですが、表情が一体一体違う点が見ていてとてもユニークです。

⑧ 回廊前のヤック像

ワット・プラケオには6カ所出入口があります。その一角を大きな剣を持って仁王立ちして守っているのがヤック像。このヤック像のほとんどが、本堂に向かって建てられていますが、これは本堂にいるエメラルド仏を悪霊から守るためだとされています。それぞれ表情が異なるヤックにご注目!タイではとても人気のあるちょっぴり怖い(?)顔が特徴の神様です。

ワット・プラケオへの行き方

ワット・プラケオへ行くにはタクシーか水上バスを利用するのがおすすめ。タクシーならばホテルで呼んでもらうのがぼったくりの心配もなくおすすめです。「ワット・プラケオ」と運転手さんに伝えれば連れてってくれますよ。

料金の目安は100~200THB(タイバーツ)。バンコクの中心街スクンビット周辺からワット・プラケオまでの所要時間は約40分となります。ただし、バンコクで渋滞に巻き込まれるのは日常茶飯事なので、時間には余裕を持って行動してくださいね。

水上バスはBTSサパターン駅近くの水上バスを利用しましょう。青色のツーリスト用水上バス(料金:50THB)でワット・プラケオまで行くか、オレンジフラッグの水上バス(料金:15THB)で「N9 / ターチャン(Tha Chan)船着き場」で降りる(目の前がワット・プラケオです)のがいいでしょう。

ワット・プラケオでの男女別おすすめの服装

バンコクの寺院では露出の多い服装はNGなのでご注意を!ワット・プラケオは王宮寺院なので服装のチェックが特に厳しいことでも有名です。ダメージ加工のジーンズや7分丈のパンツもNG。肌の露出の多い服装だけでなく、レギンスやスキニーデニムなどの体のラインが出る服装もNGなので注意が必要です。

男性なら半袖のTシャツやポロシャツに、7分丈以上の長さのズボンがおすすめです。女性なら半袖のTシャツやカットソー、ブラウスにロングスカートや長ズボンがおすすめです。ワンピースを着る場合は袖があり、丈の長いものを選ぶのがいいでしょう。

その他にサンダルもワット・プラケオではNGとなる場合があります。また迷彩服はタイでは軍人以外の着用が禁止されているそうなので迷彩柄の服は持って行かないようにしましょうね。

おわりに

ワット・プラケオはとても格式が高く、参拝料は少し高いですが、それだけの見ごたえがある寺院です。タイの壮大な歴史と文化に触れられる良い機会なので、是非ワット・プラケオを訪れてみてくださいね。

名前:ワット・プラ・ケオ(Wat Phra Kaeo)
営業時間:8:30〜16:30(チケットは15:30まで)
拝観料:500バーツ
住所:Phra Nakhon Bangkok