ベトナム料理とは?ベトナム料理の歴史と文化、定番メニューを徹底解説!ハノイ・フエ・ホーチミンでこんなにも違う!?

ベトナム料理とは

皆さんは、ベトナム旅行に行ってみたいと思ったことがありますか?実際に、旅行の計画を立てる中で気になるのは、現地でのお食事。せっかくだから、その場でしか食べられないものを食べたいですよね。今回は、そんなベトナム料理の歴史・文化を追い、代表的メニューをご紹介します。

ベトナム料理とは

本場のフォー

ベトナム料理は、米を主食とするベトナムで生まれた料理です。歴史的に見ると、中国やフランスの食文化の影響を受けています。また日本と同じように、橋やお茶碗を使って食事をします。

ベトナム料理の特徴

肉や魚も使われていますが、野菜とハーブがたっぷり入っており、ヘルシーであることが特徴です。また「ヌクマム」と呼ばれる、ベトナム料理に欠かせない調味料を使用します。ヌクマムとは、小魚と塩を発酵、熟成させた魚醬です。

コリアンダーなどの香草類、多種多様なソースを、自分の好みに合わせてトッピングして、食べることも特徴のひとつです。さらに北部・中部・南部と分けて比べると、料理の味付けが大きく異なります。この違いは、後で詳しく説明します。

べトナム料理の美味しさの秘密

ベトナム料理の真髄は、「五味・五彩・二香」にあります。

五味=塩味、辛味、酸味、甘味、旨味

五彩=赤、黄、緑、黒、白

二香=香りの良さ、香ばしさ

これらがお皿の上で調和することで、ベトナム料理の見た目の美しさと、美味しさが生まれるのです。ベトナムでは、味、色彩、香りにおいて、これらすべてを含み、バランスの良い料理が理想とされています。

ベトナムの食文化の歴史

ベトナム料理の歴史

ベトナムの米食文化は、恵まれた土壌をもつ、北部の紅河デルタ地域と南部のメコンデルタによって形成されました。そこで紀元前8~7世紀頃、稲作農耕が始まりました。

その後のベトナムの食文化は、諸外国からの支配の歴史の中で築かれました。約1000年もの間、中国の支配下に置かれ、その中で米食文化や、炒める、蒸す、煮るなどの料理工程が定着していきました。特に北部は中国と隣接しているため、醤油や塩を使った料理が多いです。

バインミー

その後、ときは流れ19世紀にフランスの植民地となり、パンやサンドイッチを食べる文化、コーヒーを飲む習慣が根付きました。その時のフランス人たちが、コショウや香辛料の栽培をベトナムで始めたため、ベトナム料理でも多く使用されるようになります。

今でもこれらの影響は強く残っており、中華料理、フランス料理の2つのまったく異なる食文化が、合わさっているものがベトナム料理といえます。

地域ごとに見られる特色

前述したように、ベトナムの国土は南北に長いため、土地柄によって多種多様な特色を持っています。ここでは、北部・中部・南部に分けてご紹介していきます。

ベトナム北部料理はさっぱりとした味が特徴

北部のベトナム料理

北部の味付けは、シンプルで、さっぱりとした味が一般的です。中国と隣接しているため、その影響を最も強く受け、醤油、塩が主に使われています。

ベトナム中部料理はスパイシーな味が特徴

ダナンの料理

中部料理は、料理に唐辛子を多用し、パンチのきいたスパイシーな味が特徴です。また、かつてグエン朝が置かれていた歴史があり、宮廷料理風な凝った料理も多く見受けられます。

ベトナム南部料理はこってりした味が特徴

南部では、濃い味付けが好まれています。ベトナム南部は、タイ、カンボジアと隣接しています。これらの国の影響を受け、主に砂糖、ハーブ、ココナッツミルクが料理に用いられています。

北部代表都市「ハノイ」の定番メニュー6選

ハノイ旧市街

ここからは、ベトナムの各都市の特徴的な定番メニューをご紹介します!ハノイは、ベトナムの首都です。約1000年の歴史を有する旧市街があるなど、ベトナムの政治と文化の中心地となっています。

フォー

米を原料とした平たい麺を、肉や野菜の入ったスープに加えた麺料理です。いくつか種類があり、代表的な「フォー・ガー」は鶏肉、「フォー・ボー」は牛肉が使われています。付け合せのハーブや香辛料を大足しながら食べていくのが現地のスタイルです。汁なしフォー、焼きそば風のフォーなどレパートリーも豊富です。

ブンチャー

ブンチャー

ブンという米を原料とした細い麺を甘酸っぱいスープにつけて食べるつけ麺です。ブンはベトナムではフォーよりも多く消費される麺類です。ベトナム各都市でブンのアレンジメニューがあります。こちらも薬味やハーブなどを、スープに加え、自分好みにカスタマイズして食べます。

また、ブンチャーといえば、2016年にオバマ元大統領がベトナムに訪れた際に、何の変哲もない小さなブンチャー屋さんに突如現れベトナム中が騒然としました。「オバマブンチャー」としてそのお店は観光名所になっています。

チャーカー

チャーカー

(出典:ウキペディア/チャーカーラボン

カーランというナマズ科の白身魚とネギなどを油で揚げた揚げ魚料理です。大量のハーブとブンをあえて食べます。ターメリックが効いた濃い味付けで、お酒のおともにピッタリです。特にハノイ旧市街には、発祥の店とされる「チャーカー・ラボン」という名前のお店が存在します。

ソイ

ソイ
もち米を使ったベトナムのおこわです。好きな具材をトッピングして食べ、家庭料理としても広く親しまれています。腹持ちがよく早朝から活発なベトナム人を支えるソウルフードです。日本でいうところのおにぎりのようなイメージで、至るところで売られています。

ブンジウ(ブンジュウ、ブンリュウとも)

トマト風味のスープにブンを加えた麺料理です。北部だけではなくベトナム全土で人気のある料理です。トマトを使用するのはフランス統治の影響ともされています。実はベトナムではフォーよりもこのブンジュウがポピュラーな麺料理です。北部はさっぱりしていて、南部になるにつれ甘辛い味に変異していきます。

バインダークア

バインダー

蟹(クア)の出汁がきいたスープに弾力とコシがある平たい麺(バインダー)が入った料理です。蟹は日本で言う「タガニ」で、田んぼに生息する味の濃い小さな蟹です。特に発祥の地ハイフォンにあるバインダークアは、蟹のすり身、シャコ、貝類などが贅沢に入っており、絶品です。

中部代表都市「フエ」の定番メニュー6選

グエン朝の王宮

19世紀~20世紀にかけて、ベトナム最後の王朝、グエン朝が置かれていました。歴史的建造物が、今でも数多く残されており、古き良き時代の風情を感じることができます。

ブンボーフエ

ブンボーフエ

(出典:ウキペディア/ブンボーフエ

牛骨スープに、ブンを加えた麺料理です。レモングラスや唐辛子を使い、辛く酸っぱい味に仕上げています。

バインコアイ

引用:Zing news

米粉とココナッツミルクでできた生地に、具材を乗せて焼き、ピリ辛のごまだれにつけ手食べる、お好み焼きのような料理です。生地が分厚く、とても食べ応えがあります。

バインべオ

引用:Nam Giao Restaurant

米粉とタピオカの生地を蒸し、その上に具材を乗せて食べます。小さい小皿に分けて盛り付けられ、食べやすい料理です。

コムヘン

引用:@bephuecuisine

ご飯の上に、シジミやナッツ、野菜、花のつぼみなどが乗せられた料理です。シジミの蒸し汁がかかっており、お茶漬けのように食べられます。

南部代表都市「ホーチミン」の定番メニュー6選

ベトナムの気候とおすすめの服装

ベトナム最大の都市であり、商業の中心地でもある、活気あふれる街です。フランスの植民地時代の面影が色濃く残り、ヨーロッパ風な建物が多く見受けられます。

バインセオ

バインセオ

(出典:ウキペディア/バインセオ

米粉とココナッツミルクの生地に、好みの具材を乗せて焼いた料理です。香草に包んで、甘辛いつけダレにディップして食べます。食感はもちもちとして焦げ目がカリッとしており、ベトナム風お好み焼と言われることもあります(個人的にはクレープに近いと思います)

コムタム

ご飯の上に、甘辛く焼いた豚肉や、目玉焼きなどをのせたワンプレート料理です。屋台などのローカルフードで、朝ごはんとして食べられています。南部では定番の料理で市場には必ずコムタム屋さんが数件あります。逆に北部では全く見かけません。

ゴイクォン(生春巻き)

ゴイクォン

(出典:ウキペディア/生春巻き(ゴイクオン)

南部のベトナム料理の代表といえば生春巻きです。たくさんのハーブ、エビ、豚肉ライスペーパーで包んだ生春巻きです。パクチーが特に効いており、パクチー好きにはたまらなお料理となっています。安価のため、屋台でなどでスナック感覚で手軽に食べることができます。

花鍋(ラウホア)

花鍋

南部メコンデルタ地方の伝統料理で、香草や食用花をたっぷり使った、ヘルシーな鍋料理です。ベトナムはエビは非常に安価な国なので、鍋にはエビがたっぷり入っています。鍋料理はベトナム全土でよく食べられます。花鍋は得熱なときに食べる比較的高価な料理ですが、インスタ映え間違いなしで旅行客に人気があります。

フーティウ

フォーに似ていますが、フォーよりコシのある米麺の料理です。具材も様々で、肉類や魚介類、レバー、野菜などが組み合わされており、バリエーションが豊かです。南部特有の甘辛い味噌ダレを足して食べるスタイルが一般的です。フォー同様に、汁あり・汁なし・焼きそば風などレパートリーも豊富です。

カインチュア

カインチュア

(出典:ウキペディア/カインチュア

タマリンドとパインアップルで味付けした、甘酸っぱいスープです。透明なおつゆに、高菜をメインとした野菜がたくさん入っています。南部の人のお味噌汁のような立ち位置で、定食屋などでは無料で付いてきます。タイのトムヤムクンをあっさりさせた味わいをイメージされると最適だと思います。

まとめ

いかがでしたか?独自の食文化をもつベトナム料理は、あっさりとした味付けが日本人の口にも合い、虜になる人も多いです。世界的にも安くて美味しい食事が楽しめる国として、世界中から観光客が訪れています。

ちなみに、物価の目安としてよく引き合いに出される「ビール」は世界で一番安く、ローカルなお店だと一杯25円ほどです。ベトナムに来られた際は、食い倒れる勢いでぜひベトナムグルメを味わい尽くしてください。

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