クチトンネルツアーに一人で参加してきた感想!意外と楽しい戦争遺産!

クチトンネルツアー

シンチャオ!ホーチミンで現地ツアーを調べると、メコンデルタとともに沢山情報がでてくるのが「クチトンネル」ですよね。ホーチミン観光で外せないスポットのひとつ!とありますが実際のところはどうなんでしょうか。

ベトナム戦争中に使われた地下トンネルで、全長200km以上にも及ぶ迷路のような地下施設が広がっているとかなんとか…。戦争遺跡は興味があるけど、一人で楽しめるかは少し不安でした。というわけで今回は、2025年春に実際に一人でクチトンネルツアーに参加してきた筆者が、ツアーの流れや感想を写真付きでレポートします。

当記事は、ベトナム在住のスタッフが実際の体験に基づいて作成しています。個人の主観による情報ですので、記事の内容が原因となるトラブルなどについては、当社では責任を負いかねます。ご理解いただきますようお願いいたします。

クチトンネルとは?

クチトンネルとは

そもそも「クチトンネル」とは、ベトナム戦争時代に南ベトナム解放民族戦線(いわゆるベトコン)が掘った地下施設のことです。地中深くに作られた巧妙な構造で、戦闘・生活・移動のすべてがこの地下で行われていたとのこと。

現在は一般公開されており、実際にトンネル内に入って当時の様子を体験することができます。トンネル見学に付随して、ベトナムの歴史を学んだり、射撃体験もできるとのこと!かなり楽しいそうな内容ですね。

参加してきたツアー会社は?

参加してきたツアー会社は

筆者が参加したのは、市内のホテルまで迎えがある・TNKトラベルさんの日本語ガイド付きの日帰りツアーです。せっかく歴史施設へ行くのだから、日本語ガイドの詳しい説明が聞きたい!と思い選びました。英語ガイドともほとんど料金は変わらなかったです(円安だなあ)

参加してみた感想は?実際どうだった?

クチツアー参加してみた感想

最初に答えをお伝えすると、チトンネルツアーは大満足の内容でした。春休みシーズンだったこともあり、参加者は全部で30名程度、一人旅の人たちもチラホラいました。このツアーは食事等のシェアもなく、本当に一人でも全く問題ないと思います。

特に印象的だったのは、実際にトンネルの中に入って体験する場面。「想像以上に狭い」「暗い」「蒸し暑い」と感じる空間に、かつての過酷さを肌で感じました。参加者同士で強力が必要で、自然と他の参加者の人と仲良くなることができました。

クチトンネルツアーの1日の流れ

さて、ここからは、ツアー当日の流れを時系列でご紹介します。ツアーの時間は朝8:00〜14:00くらいまでです。メコンデルタツアーと比べて4時間ほど早く終わるのはタイパも良いと思いました。

シェラトンホテルに集合

シェラトンホテルに集合

朝8時前、ホーチミン中心部にあるシェラトンホテル前に集合。ここからツアーバスで出発です。春休みシーズンだっため、小さい通りにあるホテルの人たちは大型バスが停車できるホテルに集合でした。指定されたところはシェラトンホテル。5つ星のきれいなホテルでした。

バスに乗車!

バスに乗車!

シェラトンホテルで待っていると、ロビーまでガイドさんが迎えに来てくれてピックアップでした。日本語で声をかけてくれるのでホッとしました。バスに乗り込みホーチミン市内を出発します。冷房完備の大型バスで安心しました。

バスの中ではガイドさんによる歴史の説明

ガイドさんによる歴史の説明

ガイドさんがベトナム戦争の背景や、現代のベトナムの歴史や文化を分かりやすく説明してくれました。ときに軽快なジョークを交えてくれて全く飽きることはなかったです。

ほぼ話しっぱなしで1時間ほど話していたので、本当によく日本語を勉強されているなあと関心しました。このバスの中での話で、ベトナムに対する解像度がすごく高まった気がします。

枯葉剤後遺症の人たちが働く見学施設へ(トイレ休憩兼)

枯葉剤後遺症の人たちが働く見学施設へ

ホーチミンから出発してから1時間ほどで、トイレ休憩があります。日本のサービスエリアのような施設で、おみやげコーナー、軽食コーナー、そして枯葉剤被害者(二世〜三世)の人たちが伝統工芸を作成している見学施設がありました。

海外のお土産せ施設ですと押し売りが怖いですが、押し売りされる様子はまったくなかったです。荷物になるのでここではお土産は買いませんでしたが、品揃えは豊富だったので気に入ったものがあれば買っても良いと思います。

クチトンネル到着

クチトンネル到着

トイレ休憩の場所からさらに1時間ほどでクチトンネルに到着します。道中は段々と緑が広がっていき、気がつくといつの間にか緑あふれる地帯に突入していました。バスから降りると、早速蒸し暑い日差しを感じました。これからジャングルに入るんだ〜という期待が高まります。

戦車や戦闘機の前で写真撮影

戦車や戦闘機の前で写真撮影

クチトンネルにつくと、まずは当時使われていた戦車や戦闘機の見学&写真撮影タイムでした。日本では考えられないですが、柵もなく野ざらし状態で放置されていて、かなり近い距離で撮影できます。近距離で目で見て触れることができるので、迫力満点でした。マニアにはたまらないのではないでしょうか。

トンネルへ入場!ジャングルの中を進みます

ジャングルの中を進みます

ガイドさんがチケットを用意してくれてクチトンネルへ入場です。肩にペタっとシールを貼られていよいよ施設内へ。ジャングルの中は木陰があるので思いの外涼しかったです。しかし、道をそれるとすぐに迷子になりそうな雰囲気にゾクゾクしました。

クチトンネル一帯を散策しながら解説

クチトンネル一帯を散策しながら解説

クチトンネル付近一体は現在はベトナム軍の管轄下ですべて整備されているそうです。施設内の要所に案内係の軍服を着た人たちがいました。まずは地上を散策するわけですが、今歩いている地下に巨大なトンネル基地が作られていると思うと、得体のしれない緊張感がありました。

地上部分には蟻塚のように設置された空気穴や爆弾の投下されたあとを見ることができます。ガイドさんが一つひとつ丁寧に説明してくれます。また、今は綺麗さっぱり除去されたようですうが、不発弾なども多かったそうです。これを聞いてガイドからは絶対にはぐれないようにしようと思いました。

クチの人たちの戦いを称える映像鑑賞(日本語)

クチの人たちの戦いを称える映像鑑賞

15分程度トンネル基地一体を散策したあとに、日本語の戦争記録映像を鑑賞へ。世界各国の音声が用意されているようです。クチの人々がどのように戦っていたのかがわかる貴重な映像です。映像が微妙に古く(恐らく昭和後期くらいに作成されたもの)、ここでも歴史の流れを感じました。

ビデオ鑑賞をしたあとは、ガイドさんが模型を用いてクチトンネル全体の説明をしてくれます。広大なトンネルを人力で掘ったということに驚愕します。現代では絶対に再現不可能な技術と根性だと思いました。

いよいよトンネルの中へ!

いよいよトンネルの中へ

いよいよ本番。トンネルの入り口に屈んで入ります。ガイド付きで進みますが、ドキドキが止まりません!まずはジャブ程度に短いトンネルから、とのこと。しかし入ってみてびっくり。全然ジャブではない(笑)ここまで狭くて暗い体験は初めてです。

狭い!暗い!想像の数倍狭いです

狭い!暗い!想像の数倍狭いです

実際に入ってみると、本当に狭い!前かがみでないと進めず、体感温度も高め。想像以上の過酷さに驚かされます。カメラで写真を撮るのも一苦労だと思いました。私はわりと痩せ型なのですが、それでも狭い!大柄な男性は入ることも難しいと思います。

トンネル見学を終える頃には、参加者全員に一体感がありました。実際、トンネルを進む際は、前後の人達の進み具合にペースをあわせて進むため、自然とコミュニケーションが生まれます。吊り橋効果ならぬクチトンネル効果で距離がぐっと縮まりました。

トンネル陣地の作戦室や救護施設を見学

トンネル陣地の作戦室や救護施設

いくつかのトンネルに入って見学するのですが、その中には作戦室などが設けられた重要なトンネルがあります。内部には作戦会議室、病院、調理場などが再現されており、地下生活のリアリティを感じられます。

現代では見学用にライトや空調が整備されているということですが、それでも「土の中にいる」という圧迫感は凄まじいです。大雨が降ったらどうすんだろうなど不安がよぎりました。当時はこの状態で敵軍が空爆をしていたり、索敵をしていたというのですから、信じられません。

ブービートラップや当時の生活を再現した設備を見学

ブービートラップや当時の生活を再現した設備

トンネル見学を一通り終えると地上に戻って当時の生活を再現した設備を巡ります。敵の爆弾を改造している様子や、当時のゲリラ戦術も見学可能。生活空間やキッチンの再現もあり、暮らしの知恵に驚かされます。

また、竹の槍を使ったブービートラップなどはゾッとするものがありました。ガイドさんが軽快なジョークをしながら説明してくれるので、暗さはあまり感じませんでしたが、戦争の過酷さを感じました。

サンダル職人による当時のサンダル作りを見学

サンダル職人

廃タイヤを使って作るゲリラサンダルの実演もありました。再利用技術の高さに感動。実演されている方も戦争経験者で、元兵士ではないものの、小さいときから戦場付近で育った方でした。

中年くらいの方で、この戦争がつい最近だったことを改めて実感しました。きらびやかなホーチミンでは感じることができない体験だったと思います。

戦争当時の食事体験

戦争当時の食事体験

ここで小休憩タイムとして、戦争当時食べられていた食事を再現したおやつを喫食します。朝からアクティブに動いていたのでちょうど小腹がすく時間で助かりました。出されたのはタピオカの原料となる「キャッサバ芋」と「笹茶」。

戦争当時は水田で稲作がまともにできるような状態ではなく、ジャングルで育てられるキャッサバ芋がクチに暮らす人達の主食だったといいます。素朴な味わいでいくらでも食べられそうですが、当時の人達はよく味わって食べていたんだろうなあ。

射撃場へ移動し射撃体験(有料・希望者のみ)

射撃場へ移動し射撃体験

おやつのあとは最後のトイレ休憩があって、クチトンネルを出発します。最後の行程は併設された射撃場での射撃体験。希望者は10発600,000VND(4,000円くらい)で射撃体験ができました。

ツアーに参加されている参加者のうち、半分以上の人が体験されていました。これ目当てに参加している人もいるとのこと。体験できるのは戦争当時使われていたライフルで、台座に固定してあったので安心でした。それでも大迫力の射撃音で驚愕しました。的に当てるのは至難の業でしたが、10発中1発かすりました(笑)

バスに戻りホーチミンへ

バスに戻りホーチミンへ

すべての見学が終わったらバスに戻り、ホーチミン市内へ帰路につきます。帰路では冷たいお絞りをだしてもらいました。ありがたかった。帰路はノンストップで1時間半ほどでした。

ホーチミン到着、戦争証跡博物館で降車

戦争証跡博物館で降車

ホーチミン市内に着く直前でガイドから降車場所の説明がありました。降車場所は、集合時のホテルか、戦争証跡博物館、ベンタン市場などが選べました。ということでそのまま戦争証跡博物館へ。参加者の10名位がここで降りていました。

結論!クチトンネルは一人でも満喫できる歴史体験

クチトンネルは一人でも満喫できる歴史体験

クチトンネルツアーは、歴史を体験として学べる貴重な機会だと思いました。個人的にメコンデルタと同じかそれ以上にマストな訪問場所だと思います。日本語ガイドで歴史の説明を聞けてほんとうによかった。ツアー参加者の人たちとも話すことができ、良い思い出になりました。

ホーチミン滞在中に、ベトナムの歴史を肌で感じたい方にはぜひおすすめです。今回参加させていただいたTNKとラベルさんの日本語ツアーはこちらです。

*記事内で「弊社催行ツアー」などと記載されてるものは現在では提供しておりません。TNKトラベルのツアーはすべて提携ツアー催行会社が提供しております。