【400年前は日本人街!？】ベトナムの世界遺産「ホイアン旧市街」と日本の以外な関係と深すぎる歴史をご紹介します。

ホイアン

ベトナムのダナンの南方に位置するホイアン市、ここは16世紀ごろ交易の要として機能していました。ヨーロッパや中国、日本からの船がこの港町に寄港し、貿易に来た日本人コミュニティができ、大変な繁栄を誇りました。歴史だけでなく、ホイアン名物の一つである料理は日本の料理がルーツではないかと言われるなど、意外なところに両国の関係が見受けられます。今回はそんなホイアンの歴史と日本の関係に迫ってみましょう。

ホイアンの歴史

現在のベトナムの中部沿海地方に存在したチャンパという王国が作った港町がホイアンの前身です。 16世紀ごろになると現在のベトナムの中部都市であるフエに広南国が成立し、ポルトガルと貿易をするためにこの港町が選ばれホイアンという名前が与えられました。最初はポルトガルと貿易を行っていましたが、次第にフランスや、中国、日本とも交流は広まっていきました。また、当時の日本はホイアンを貿易の場として選んだのはただ広南国と貿易するためではなく、当時の中国の王朝である明の商船と貿易をするためでした。当時は明との国交は途絶しており、正式な貿易をすることが出来なかったため、民間の商船と貿易していました。

ホイアンのランタン祭り

日本から訪れた船は50隻以上にのぼり、ホイアンには300～500人の日本人がこの地に住み、日本人のコミュニティである日本人町が形成されました。しかし、17世紀ごろになると日本の鎖国は進み、日本人が海外に渡航することは禁止されホイアンから日本人は離れていきました。 17世紀後半になると、当時の清朝と広南国は対立していき、ホイアンは次第にかつての栄光を失っていきます。 18世紀に広南国と西山朝の戦いによってホイアンは崩壊してしまい、19世紀ごろに再建されますが、そのころになると航海上の理由として貿易の場はダナンに移り、ホイアンは衰退しました。しかしながら、ベトナム戦争の戦禍から逃れ、その町並みの一部は残っており、現在もかつての繁栄ぶりを目にすることが出来ます。また、1999年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

日本とホイアンの関係

日本とホイアンの交流は鎖国によって途絶えてしまいましたが、ホイアンではその交流の名残を発見することが出来ます。ホイアンの名物の一つにカオラウという麺料理があります。このカオラウという料理はなんと日本の伊勢うどんによく似ており、カオラウのルーツは日本の伊勢うどんではないかと言われています。カオラウは米分で練られたうどんのような麺の上にチャーシューや野菜を載せ、伊勢うどんのように麺に濃いタレを絡めて食べる料理です。伊勢うどんの麺は、柔らかくモチモチした食感がしますが、カオラウは伊勢うどんよりむしろ普通のうどんに似た食感がします。名物料理だけあってカオラウはレストランや屋台、いたるところで食べられ、日本円に直すと大体の値段は200円です。

ホイアンのランタン祭り

日本人ゆかりの来遠橋

貿易をするためにホイアンに訪れた日本人が架けた来遠橋という橋があります。この橋は、当時ホイアンにあった日本人町と中国人の住む中華街を結んでいた橋とされています。ホイアンから日本人が遠ざかった後、ホイアンでは大火が発生したという記録があることから、17世紀ごろに架けられたオリジナルの来遠橋ではなく、現在のホイアンの町並み同様この橋も19世紀ごろに再建されたものとされています。また、日本人による発掘調査により、現在架かっている来遠橋の近くから杭や板材などが見つかっており、これらがオリジナルの来遠橋の遺構ではないかと考えられています。ベトナムの通貨はドンなのですが、二万ドン紙幣の裏面にこの来遠橋が描かれていて、そこから興味を持って来遠橋を訪れる観光客もいます。

ホイアンのランタン祭り

ホイアンへの行き方

ホイアンに行くにはまずは日本からダナン直行便に乗るのがオススメです。ダナン空港に到着したら、今度はシャトルバスやタクシーなどを利用すれば一時間もあればホイアンに着きます。気をつけておくべきことは、ホイアン行きのシャトルバスはダナン空港から一時間に一本しか出ていないので、発車時間に間に合うようにしておくことと、人数分の料金を払うことになるので、人数によってはタクシーを利用するのがオススメです。タクシーを利用するにあたって念頭においておくこともあります。個人タクシーを利用すると、法外な値段を請求されることがあるので、信頼できる車体が緑のマイリンタクシーやビナサンタクシーを利用するのが無難です。

おわりに

今回はベトナムのホイアンを紹介させていただきましたが、歴史だけでなく日本との意外な関係に驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか？もし、本当にカオラウが日本の伊勢うどんがルーツだとしたら、大変興味深いことでしょう。ホイアンを訪れたら、もしかすると日本と関係があるものが他にもみつかるかもしれません、興味のある方は実際に訪れてみてはいかがでしょうか？