ベトナムのIT(WEB制作・システム制作)について調べました。日本企業がベトナムを選ぶ訳など、経済成長が著しいベトナムが見えて来ました。

近年、グローバル化の流れとともに、ベトナムが日本のオフショア開発先として、注目を集めています。オフショア開発とは、ソフトウェア開発などをを海外の子会社に委託することで、開発コストの大幅な削減につなげるものです。

日本企業がベトナムを選ぶ理由には、コスト面以外にも様々なメリットがあることが挙げられます。この記事では、ベトナムのIT産業の概要やオフショア開発のメリットなどをご紹介します。

ベトナムのIT産業についての概要

IT企業数

政府がIT産業の成長を積極的に後押ししていることもあり、ベトナムのIT産業は急速に成長しています。2011年末には産業規模として約137億ドルに達していて、IT企業数も年々増加しています。現在は約700社以上のIT企業が存在すると言われています。

ITエンジニア数

IT技術者はベトナム国内に約35万人いると言われています。さらに毎年5~6万人が教育機関などを経て新たに輩出されており、ITエンジニア数は年々増加しています。しかし、それでも中国などの先発オフショア開発国と比べるとエンジニア数はまだまだ少ないです。

ベトナムであれば「いつでも優秀な人材を安価に確保できる」というわけではありませんが、日本よりも人材が多くおり、年々増加傾向にある点が伸びしろと言えるでしょう。

ベトナムにおけるオフショア開発のメリット

① 若い力に溢れ、持続性のある組織作りが可能

日本では少子高齢化が進んでいるため、若手の労働人口が少なくなってきています。反面、約9000万人の人口を誇るベトナムには若い人が多く、年代別人口では20代がトップであり、中長期的なIT人材の確保先として有望視されています。

② 人材が確保しやすい

ベトナムでは、現在いる約35万人のIT人材を「2020年までに100万人」に引き上げることを国家目標に掲げています。国策としてIT事業に力を入れていることが、ベトナムのIT産業全体に好影響を及ぼしています。

すでに日本の大手企業がオフショア開発で土壌を作ってくれたこともあって、ベトナムでは対日本のビジネスを行うための人材が揃っています。また、ベトナム政府が海外企業を積極的に受け入れる政策をとっているので、日本企業が進出しやすいということもあります。

③ 勤勉な国民性

ベトナム人は勤勉な国民性を持っていると言われます。日常的に向学心をもって勉学に励むベトナムのエンジニアは、低コストで高品質のシステムを開発するにあたり人気を集めているのです。また、ベトナムでは大学在学中に職業訓練的な教育を受けるため、新卒時にはある程度のスキルを有していることが一般的なので、即戦力になることが期待できます。

④ 日本語を話せる人が多い

ベトナムと日本の国際関係が良好ということもあって、ベトナムには日本語学習者が数多くいます。ベトナムのトップ大学のひとつであるハノイ工科大学では、日本のODA(政府開発援助。政府資金で行われる開発途上国に対する援助・協力のこと)と連携してHED SPIと言われる「日本語のできるブリッジエンジニア育成プログラム」を設けていたりと、教育機関を中心に日本語話者の育成に力を入れています。

⑤ コストパフォーマンスが良い

かつて日本のオフショア開発先として隆盛を誇った中国などでは経済成長によって人件費が高騰し、オフショア先として選びにくくなりました。反面、ベトナムではIT人材一人当たりの月単価は20~25万円と、中国のおおよそ二分の一です。低価格であり、人材そのものは優秀ですので近年日本企業はベトナムを選ぶ傾向が強まっています。

⑥ ビジネスに必要なインフラが整っている

ビジネスにはインフラ整備が欠かせません。ベトナムはいまだインフラが整っていないというイメージがありますが、東南アジア諸国の中では比較的安定しています。電力供給が安定しており、突然停電するようなこともありません。インターネット光回線も普及しています。

⑦ 休暇、時差が少ない

ベトナムは休日の数が日本と比べてかなり少なく、平日がお休みになることは非常にまれです。また3連休以上の長期休暇も、ゴールデンウィークと旧正月を除けばほとんどありません。なので、開発計画を立てやすいということがあります。

また、日本との時差は2時間と少なく、ベトナムは朝の出勤時間が早いので、ビジネス面で支障が出ることはほとんどありません。

⑧ 制度面での優遇

ベトナムにおいては、新設の外資企業がIT産業へ投資するプロジェクトに対して、法人所得税(CIT)の減免があります。最初の4年間はCITが全額免除、その後なんと9年間も税額の50%が減額されます。実質13年間も大幅な税制優遇を受けられる点は、オフショア開発を狙う企業にとっては大きなメリットと言えるのではないでしょうか?

さらに経済特区におけるプロジェクトについては、インフラ開発に対する支援も行われます。代表的なものに、技術的インフラの提供・経済特区内に居住する従業員のための住宅賃貸といった支援があります。IT事業を展開するためには、インフラ整備は必須なので、そこに対する支援が充実しているのも魅力です。

⑨ 市場としての魅力

ベトナムでコンピューターを持っている世帯は、2008年から2012年の4年間で、約2200世帯から約4300世帯へと、2倍近くに増えています。とはいえ、100世帯のうちコンピューターを持っている割合は2012年で18.8%。まだまだ拡大が期待できる市場です。

また経済成長の影響からか、若者の購買意欲が高い傾向にあるそうです。現在は3世代同居世帯が主流ですが、今後所得水準が上がれば、核家族も増えてくるかもしれません。今後さらにITサービスなどの伸びが期待できそうです。

⑩ 国政が安定している

ベトナムでは長く一党独裁の政治が続いているせいもあり、国政は安定しています。内乱や政治不安などの要素が極めて少なく、政治状況がが事業のリスクとなるような心配はありません。このように安定した状況の中で、中長期的にシステムの開発計画を立てやすいことも、オフショア市場でベトナムが人気を集める理由のひとつです。

まとめ

いかがでしたか?IT技術者やエンジニアの採用、育成が難航している日本にとって、ベトナムを中心とするオフショア開発は欠かせないものとなります。現在では、開発コスト削減を求めて国や地域を移転していくのではなく、確かな技術レベルの向上を模索していく時代に入りつつあります。上記で挙げた理由からもベトナムは日本のオフショア開発によって、更なる経済成長が期待できる国だと言えるでしょう。

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