【2024年更新】ベトナムの鉄道情報をわかりやすく解説！列車の予約方法・料金・座席タイプ・乗り方などおすすめを一挙ご紹介

一度は憧れる、風情溢れる列車旅。そんな夢を叶えてくれる列車が、ベトナムにはあります。

昔懐かしいディーゼル列車で、ハノイ~ホーチミン間の1,700kmもの間を一本つながりのレールが走っており、寝台列車の旅を気軽に楽しむことが可能です。

ベトナム統一鉄道チケットの予約方法

数年前まではオンライン予約ができなかった統一鉄道チケットもようやく購入できるようになりました！公式サイトから予約できるため、もっとも確実です。公式サイトは英語になりますので、ブラウザの翻訳機能などを駆使してみましょう。

https://dsvn.vn/

支払い方法は、クレジットカード決済など、初めての方でも簡単に予約できます。ご購入時には、乗車される全員の「名前とパスポート番号」が必要です。

公式ページでの購入が最もオススメできる方法で、最も安く購入できますが、一部の言語が正しく翻訳されず、ベトナム語のままになる点にご注意ください。

ベトナム統一鉄道とは

ベトナム鉄道路線は全てベトナムの国鉄である、Vietnam Railwaysが運営しております。ベトナムに2019年9月現在は電気で走るタイプのいわゆる電車は走っていません。ベトナムで運行している列車はディーゼル機関車となり、後続の客室車両・貨物車両を牽引する形のものとなります。

ちなみに平均時速50km未満で走るので、南北線とも言われる、ハノイ~ホーチミン間の約1,700km(青森~博多間ほどの距離)の道のりは、33時間ほどの所要時間となります。

新幹線の平均は約時速210kmといわれ、新青森から博多(約1,700km)までは約9時間の所要時間となっています。つまり日本の新幹線とはスピードが桁違いに遅いです。

そんな訳でベトナムの列車はスピードを求めて乗車するものではありません。昔懐かしいディーゼル車・レトロな車内・寝台車の風情・もしくは1泊のホテル代を浮かせて快適に移動したい、という方におすすめの移動方法となります。

座席の種類

ベトナム統一鉄道の客室車両には、基本的に以下4つの座席タイプがあります。はじめに申し上げておきますが、「ハード〜」と名がつくタイプのものは、ローカル民もしくは百戦錬磨のバックパッカー向けです。

かなりしんどい思いをすること間違い無しなので、全くお勧めできないものになります。ですので、冒険家の方々以外は、「ソフト〜」と名がつくタイプのものを予約しましょう。

ソフトスリーパー (4ベッド1キャビン)

一番いいグレードのものがソフトスリーパーになります。1キャビンの中に2階建てのベッドが2列並んでいる形です。

ベッド自体も全く硬くなく、普通の家のベッドと同じくらいに柔らかいので、ベッドのせいで腰を壊す、とかいうのはいつも相当いいマットレスを使っていない方以外はないかなと思います。

4名様より人数が少ないグループの場合は、見ず知らずの他の搭乗者が同じキャビンに入ってきます。大概の場合、同じキャビンの人達とお菓子や飲み物を交換して仲良くなります。

これらに抵抗がある方は、2名様で1キャビンを貸切するといったことも可能です。

キャビン内にはコンセントが入り口ドア上部に2つだけ付いていますが、早い者勝ち状態なのでポータブルの充電器をお持ちいただくというとをお勧めいたします。

ハードスリーパー (6ベッド1キャビン)

寝台にはなりますが、1キャビンの中に3階建てベッドが2列並んでいるものになります。キャビンの広さはソフトスリーパーと全く変わらないので、各ベッドの幅が狭く、寝転ぶと目の前に天井が迫ります。

マットレスも極薄で体がバッキバキになること間違いなしです。はっきり言って、日本人のお客様にとてもご案内できるクオリティではございません。

冒険好きなバックパッカーの方はいいかもしれませんが、それ以外の方はソフトスリーパーをご予約されることを強くお勧めします。

ソフトシート (1人1座席)

一般的な座席タイプの席になります。1名につき1個の座席が割り当てられる、新幹線と同じような席です。とは言っても、もちろん新幹線ほど清潔ではないです。

普通の座席タイプのシートになるので、短距離の利用に限定しましょう。ハノイ~ニンビン間・ダナン~フエ間などにはお勧めです。5時間以上の乗車や夜発の便はお勧めできないので、ソフトスリーパーを選択するようにしましょう。

ハードシート (無法地帯)

座席角度90度、木材でできたベンチタイプの座席がこのハードシートになります。一応、1ベンチ3名で座るものですが、ここは無法地帯なので皆が皆、空いている席を陣取って寝転び始めます。

面白い体験がしたい場合はいいと思いますが、少なくともいい思いをすることはないのでやめた方が無難です。

ベトナム各都市時刻表と料金

以下より各都市発着の主な便の時刻表と料金をご紹介していきます。

列車の料金は飛行機と同じく、購入時期などによって変動するため、以下料金はあくまで参考料金となります。尚、下記料金は基本的にソフトスリーパー購入時の料金となります。

※1：ソフトシート利用時の料金となります。

ハノイ発

南下の時刻表

ニンビン発

南下の時刻表

北上の時刻表

ドンホイ発

南下の時刻表

北上の時刻表

フエ発

南下の時刻表

南下の時刻表

ダナン発

南下の時刻表

北上の時刻表

ニャチャン発

南下の時刻表

北上の時刻表

ホーチミン発

北上の時刻表

ベトナムでの列車の乗り方

以下より、予約が完了した段階から、当日の列車の乗り方、降車までを解説します。

チケットの受け取り方法

支払いが完了し、予約が完了すると、メールなどに添付される形で、pdfファイルで乗車チケットが届きます。印刷したチケットを手元に用意して、乗車当日に備えましょう。

携帯でご提示いただき、乗車することも可能ではありますが、チケットに記載されているQRコードが読み取れない、とトラブルもありますので、印刷したものをご持参いただくことを推奨しております。

列車チケットのサンプルと見方

駅の集合時間

各駅の集合時間ですが、遅くとも出発時間の30分前には駅まで到着するようにしましょう。

特にハノイは駅そのものがかなり大きいです。列車の全長も新幹線くらいに長いので、時間に余裕を持たないと正しい車両に乗ることができないこともあります。

なので、駅には必ず早くて1時間前、遅くとも30分前には到着しているくらいの、余裕を持ったスケジュールを心がけるようにしましょう。

列車の乗車方法

駅に着くと改札があるのでそちらの改札を抜ける必要があります。その際に必要なのが上述したチケットです。こちらのチケットを改札にいる駅係員に見せると、改札を抜けることができ、駅構内の待合室、もしくはプラットホームまでいくことができます。

列車が到着する時間になると、乗車に関するアナウンスが、ベトナム語と英語で流れるのでご安心ください。尚、乗車に不安がある方は、日本語でもいいので駅係員にチケットを見せると、正しい乗車車両まで案内してくれます。

列車乗車後

列車に乗車すると、各キャビン、もしくは各座席に番号が書いてあるので、チケットに記載されているところまで向かいます。寝台タイプの席に関しては、ベッドにも番号が書いてあるので、正しいところに座るようにしましょう。

ただ、ここはベトナム！稀に番号を一切気にせずに自分の番号のところに知らない人が座っていることがあります。そういう時はチケットを見せて、席をどくようにしっかりと伝えましょう。

尚、ハードシートやハードベッドタイプの座席はこういうことが、当たり前のように発生します。自分の座席についたら、あとは思い思いの時間を過ごすだけです。

また現在は、ほぼ全ての車両で食堂車両はありません。ただ売店のおばちゃんがあまり美味しくないご飯を売りに来てくれます。お腹が空いたらそれらを買って食べるか、もしくは給湯器がついているので、カップラーメン等を持参するのがいいです。

乗車する前にコンビニでパンなどを買っておくのが一番無難です。

係員によるチケットの再確認

出発後に駅係員がチケットの確認に回ります。①改札を通り抜けるタイミング、②出発後の計2回(出発後複数回確認することもあります)、チケットを見せることになりますので、チケットは降車するまで無くさないように保管してください。

降車方法

多くの場合は、各駅到着の10分くらい前に駅係員が雄叫びをあげて起こしてくれます。その駅で降りない場合は迷惑極まりないですが、これもベトナム流列車旅の醍醐味です。

ただ、雄叫びがない時もありますので、自分でアラームをセットしておくと安心です。駅に到着してから発車するまでは、比較的長い時間停車しますが、到着前には周りの荷物を片付け、忘れ物をしないように気をつけましょう。

日本の鉄道会社みたいに、忘れ物をして返ってくるということは、ほぼ100%ありえません。

降車駅到着後

駅に到着したらあとは降車して、出口へと向かうだけ。多くの場合降車時はチケット等を見せる必要なく、そのまま流れるように駅を抜けることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ベトナム国内の鉄道事情を少しでもご理解いただけたのであれば幸いです。

世界でも比較的清潔なディーゼル機関寝台列車に乗れるのも、あとわずかとなるかもしれません…

風情ある列車旅、是非ベトナムで今のうちにご体験ください！