【100年前はフランス領】ハノイのフランス統治時代を感じる建築物5選【フレンチコロニアル編】

ハノイ大教会内部

アメリカの首都はニューヨーク!ではなく、ワシントンD.C.。
オーストラリアの首都はシドニー!ではなく、メルボルン。
ベトナムの首都はホーチミン!ではなく、ハノイ

経済都市のパワーとはすさまじいもので、まさに知名度となると……。有名度で圧倒してくる経済都市たちですが、その国の首都には首都たる由縁があります!

今回は、好きな人にはたまらない「巨大な下町」(TNKスタッフ談)。魅力たっぷりのベトナムをつかさどる首都「ハノイ」でみるべきフレンチコロニアルの建築物5選をご紹介します!ヨーロッパの息吹をかんじる建築物にため息をつくこと間違いなしです!

1:100年前はフランス領だった「ハノイ」

初めての方は前知識として、すでにご存知の方はおさらいです。今は独立しているベトナムは、100年前はフランス領でした。100年前です。たったの。日本は大正時代くらいです。そう聞くと、昔のような最近のような昔のような……。ちなみに香港が中国に返還されたのは1997年。筆者が1歳のころなので、22年前です。たったの。100年と22年が並ぶと若干ためらいを感じますが、それでも100年ってたったのですよね。

長い歴史で数えるとメモリ1センチにも満ちませんし。人生100年とすれば人間ひとりの寿命ですし。とにかく最近まで、ベトナムは他国であるヨーロッパのフランスなどからの支配や占領を受けてきたということです。なので、ハノイに限らずベトナムのあちこちにはアジアらしからぬ(?)ヨーロッパな建物がたくさんあります!

2:ハノイでみるフレンチコロニアル建築①「ハノイ大聖堂(聖ヨセフ大聖堂)」

ハノイ大教会 - ハノイの歴史

ハノイ大教会

歴史の話からは離れて、みるべきフレンチコロニアル建築の話にうつりますね!ハノイでみるべきフレンチコロニアル建築5選。記念すべき1つめは、「ハノイ大聖堂」です。ハノイ大聖堂の魅力は、白かったであろう石がグレーに染まっているところ。このなんともいえない風合いが、ハノイの歴史をかんじさせます。

ハノイ大聖堂は、フランス統治が始まった1882年に建築が開始されました。今も残るネオゴシック建築になったのは1990年です。120年の歴史を思わせるグレーですよ……。ゴシック建築って、どことなくダークでファンタジーな感じがしますよね。ゴスロリの影響かな……?ハノイ大聖堂はダークでファンタジーな風合いです。イメージ通り。

このハノイ大聖堂が建っている場所には、もともと仏教寺院がありました。フランス統治が始まったので仏教寺院から大聖堂になったというわけです。2本の塔にマリア像がある大聖堂。同じ形の大聖堂は世界中にあります。

同じベトナムのホーチミンにもありますよね!ホーチミンの大聖堂は赤茶の煉瓦造りで、ハノイ大聖堂は白っぽい石です。あと、中央のマリア像のポーズも違いますよ。ハノイ大聖堂のマリア像は赤ちゃんを抱っこしています。(おそらくイエス・キリストだと思われます)入場料が無料なのも嬉しいポイントです!

住所:40 Nhà Chung, Hàng Trống, Hoàn Kiếm, Hà Nội
平日・土曜日:8:00~11:00、14:00~17:00
日曜日:7:00~11:30、15:00~21:00
入場料:無料

3:ハノイでみるべきフレンチコロニアル建築②「市民劇場(オペラ座)」

ハノイのフランス建築代表ともいわれる「市民劇場」。フランスのオペラ座を彷彿とさせる見事な造りは、華厳という言葉がぴったりです。1911年に建てられた市民劇場には、大理石や金がふんだんに使用されています。正面にはイオニア式とよばれる柱が建っていて、いまもなお人々を魅了してやみません。

国会議事堂が建てられるまでは、ベトナム国議会の議事堂としても使用されていました。ホーチミンにもオペラ座はありますよね!ホーチミンのオペラ座との違いは、丸みがないこと。ホーチミンのオペラ座は白くて天井部分が丸いのに、ハノイのオペラ座は茶色っぽくて四角いです。

ハノイのオペラ座は、1945年8月19日にホー・チ・ミン主席が独立を表明した8月革命の舞台です。どこからの独立か、ご存知ですか?「日本」です。正面左手の門には「ここは、独立革命広場です」と書かれたプレートがあります。

4:ハノイでみるべきフレンチコロニアル建築③「ソフィテル レジェンド メトロポール ハノイ」

ハノイの最高級ホテル「ソフィテル レジェンド メトロポール ハノイ」は、100年以上の月日を経てもなお「最高級」の名を誇るコロニアル建築です。

1901年に開業したメトロポールハノイは、何度か改築をしているものの、場所によってはベトナム戦争当時の様子を残しています。「トラベル レジャー誌」や「トラベラーズワールド」などからも数々の賞を受賞している由緒あるホテルに泊まってみるのはいかがですか?

チョコレートビュッフェが有名だそうです。美味しそうです!メトロポールハノイ限定パッケージの紅茶はお土産にもぴったりですよ!ホーチミンにもコロニアル建築のホテル(マジェスティック・コンチネンタルサイゴン)があります。せっかくなら、ハノイとホーチミンを周遊して泊まり比べてみるのもいいですね!

余談ですが、筆者はコンチネンタルサイゴンが大好きです。部屋の内装は木彫モチーフで可愛いし、歴史を感じる廊下も味がありますし、朝ごはんが美味しい。スタッフさんも優しい。あと、毎晩中庭で結婚式が挙げられています!ドンコイ通り沿いですし、ホーチミンで泊まるなら「コンチネンタルサイゴン」を友だちには絶対おすすめしています。

5:ハノイでみるべきフレンチコロニアル建築④「北門教会」

北門教会は、1927年に建てられました。ハノイ大聖堂・ハムロン教会と並んで、ハノイ3大教会と呼ばれています!外面が黄色い北門教会は、ある意味で一番アジアのフレンチコロニアルらしい教会です。当時のフランスの人たちにとって、黄色は南方の色。南方に行けば黄色い建物がある!というイメージがあったそうですよ。

北門教会がほかの教会と違うところは、ハノイで唯一カトリック教徒のひとたちのためにミサがひらかれるところ。今日まで「教会」としての役割を名実ともに引き継いでいます。大聖堂や教会と名前のつく建物は全体的に信仰を受ける建物なので、観光の際はミサの有無は関係なく「敬意」を忘れずにいましょう!

6:ハノイでみるべきフレンチコロニアル建築⑤「レストラン ワイルド・ライス」

最後にご紹介するのは、ご飯が食べられるコロニアル建築!フレンチコロニアルの一軒家レストラン「ワイルド・ライス」です。こちらのレストランは、いわずもがな雰囲気が最高です。デートに最適。高官の邸宅を改造したレストランは、落ち着いた空気のなかに張り詰めるような緊張感とゆったりしたあたたかさがあります。

並木をぬけてたどり着くクリームイエローの建物とレストランのコンセプトは「矛盾」。フレンチコロニアルのヨーロッパあふれる店内でいただく「ベトナム料理」は、絶品です。恋人と、ご友人と、ご家族と、美味しいベトナム料理と一緒に歴史をいただくのはいかがですか?

おわりに

ハノイ大教会

ハノイでみるべきフレンチコロニアル建築5選は、いかがでしたか?歴史あふれる下町ハノイは魅力満載です。フレンチコンチネンタル建築は眺めるだけでも素敵なものですが、歴史を知ると味わいが変わります。

そのあたりを詳しく知りたい方は、ベトナム占領時代についての記事や文献にあたってみてください。興味深いと思いますよ。文献を見る上でのポイントは、「著者の立場」です。なるべくならば身分がはっきりしている人の本を読んだほうが良い勉強になると……思います!

さらにコアな楽しみ方は、「相反する立場の著者が書く本」を照らし合わせて読むこと。知識欲がめちゃめちゃに刺激されること間違いなし。おすすめです。その場合は世界的な時代背景をみることもお忘れなく。(民主とか共産とか資本とか社会とか)ハノイのフレンチコロニアル建築は「美しいだけじゃない」、アカデミックな建築物です。

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