アンコール文明発祥の地「プノン・クーレン」ここから壮大なアンコール遺跡群が始まります。


カンボジアには、シェムリアップの北東約40キロに位置するプノン・クーレンという山脈があります。カンボジアの人々はこのプノン・クーレンを聖なる山としており、ヒンドゥー教徒や仏教徒にとって特別な宗教的意義を持ちます。

また、西暦802年に当時のカンボジアがジャワのシャイレーンドラ朝から独立を宣言したのもこの地であることからも、カンボジアの人々にとって大変重要性を持つ山です。今回はそんな神聖な山であるプノン・クーレンを紹介させていただきます。

プノン・クーレンの歴史

9世紀初頭のカンボジアは、ジャワのシャイレーンドラ朝の属国でした。ジャヤーヴァルマン2世という人物がカンボジアをシャイレーンドラ朝から開放し、転輪聖王(古代インドにおける理想的な王を指す用語)としてこのプノン・クーレンで即位し、クメール王朝が始まりました。

ヒンドゥー教徒や仏教徒にとってプノン・クーレンが宗教的意義を持つのは王朝創始の儀式がこの地で執り行われたからです。続いて、カンボジア旅行及びプノン・クーレン観光をスムーズにするための知識をご紹介します!

①カンボジアを快適に過ごすには軽装がおすすめ!


インドシナ半島南部にあるカンボジアは一年中、日本の夏のような気候が続きます。年中30℃を超える暑さが平均的な温度で、季節は日本と違って四季はありません。雨季と乾季の二つです。

乾季は1月から5月頃で3月から4月頃になると40℃以上になることもあり暑さのピークを迎え、また、雨季に近づくと雨が降る日がしばしばあります。5月から10月までが雨季で、カンボジアの雨といえば、短時間に大量に雨が降るスコールで毎日のようにスコールが降ります。

乾季にしろ雨季にしろ、基本的に日本の真夏のように暑いので、半そでなどの軽装がおすすめです。乾季は日差しが強いので、日焼けを気にする方は長袖の服を持って行くことを念頭においてください。

②プノン・クーレンに行くための準備

プノン・クーレンはシェムリアップから北東約50キロと距離としては遠いということはないのですが、周辺地域にはまだ地雷があります。インフラもあまり整っていないということから信頼できるガイドや、現地ツアーに申し込むなどの準備が必須と言えるでしょう。

また、プノン・クーレンを観光できる時間は限られており昼の12時を過ぎると入場できなくなるので、早めに到着できるようにしましょう。プノン・クーレンに入場するためには20ドルが必要なのでこちらも忘れずに前もって準備しておきましょう。

ブノン・クーレンの魅力①プレアアントン寺院

プノン・クーレンの麓から南東に登って行くとプレアアントム村に到着します。その村の中にプレアアントン寺院という、ジャヤーヴァルマン2世がクメール王国を建国した頃から存在する寺院があります。

石で出来た参道は長く、この参道より少し前の場所では、現地の人々が開く露天が並んでいて、薬草や鳥の丸焼きなどいろんなものを売っていて大変活気があります。参道を通って寺院内部にある階段を登って、頂上の建物に入ると巨大な黄金涅槃仏が横たわっています。

この仏像は16世紀頃に作られ、カンボジア最大の涅槃像と言われており、周りはご利益を得ようとする人々が絶えません。

ブノン・クーレンの魅力②千本リンガの川

リンガとはシヴァの男根を象徴するものなのですが、プノン・クーレンにある川には千本のリンガが川底に彫られていますこの川はジャヤーヴァルマン2世が水浴びをするための川として選ばれたので、神聖なものと考えられています。

川の中にリンガが彫られた理由は、水浴びした際にリンガから霊的な力を得ようとしたためです。また、リンガだけでなく、ヒンドゥー教に関連する神のレリーフ(彫刻)も川底に掘られています。乾季で川の水が少なくなっている時期はこれらをはっきり見ることが出来ます。

ブノン・クーレンの魅力③高さ20メートルの大滝

プノン・クーレンには高さが20メートルもあり、シェムリアップの川に通じる大きな滝があります。見るだけでも大変印象に残る滝では、現地の人々はもちろん、観光客の方も水着や服のままで、水浴びをしている人や泳いでいる人がいます。

しかしながら、季節によって、十分に水が流れてない場合やその逆に水が多すぎて入水するのが危険な場合もあります。必ずしも水浴びや水泳が出来るわけではありませんので注意してください。

まとめ


プノン・クーレンは歴史的、宗教的に多大な意義を持つ神聖な山です。カンボジア最大の涅槃像やシェムリアップの川に繋がる大きな滝など観光名所としても、スケールの大きな場所です。人気の観光名所である反面、地雷が撤去されていない点や蛇が多い点などがありますので、信頼できるガイドを現地で雇ってから訪れてください。

また、カンボジアの暑さは高い気温と湿度を伴った暑さです!こちらもきちんと対策をしておけば、遺跡観光もスムーズにいきますので、忘れないようにしましょう。

Phnom Kulen

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