ベトナムの8つの世界遺産完全ガイド|行き方、見どころ、現地発ツアーなど、旅行情報を徹底解説します

ハロン湾

シンチャオ!ホーチミン在住スタッフです。ベトナムには実はユネスコによって登録されている8つも世界遺産があります!自然遺産から文化遺産まで様々で、これらはベトナムの歴史や風土を象徴するものになっています!

今回はそんなベトナムの世界遺産の見どころ、行き方、ツアー情報を徹底解説します!これからベトナムの世界遺産をめぐりたい!という方は、ぜひ最後まで御覧ください

当記事は、ベトナム在住のスタッフが実際の体験に基づいて作成しています。個人の主観による情報ですので、記事の内容が原因となるトラブルなどについては、当社では責任を負いかねます。ご理解いただけますようお願いいたします。

ベトナムの世界遺産一覧

まず、世界遺産とは、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)によって指定された、世界的に重要な文化的または自然的価値を持つ場所のことです。これらは、世界遺産条約に基づいて保護され、後世に残すべき貴重な財産とされています。

さらに、世界遺産は大きく分けて以下の三つのカテゴリーに分類されます:

文化遺産:歴史的建造物や都市、考古学的遺跡など、人類の文化活動によって生み出された重要な場所や構造物。

自然遺産:特異な自然景観や地質学的形態、重要な生態系や生物多様性を有する地域など、自然界の特別な価値を持つ場所。

複合遺産:文化的要素と自然的要素の両方を有する遺産で、その両方の特性を兼ね備えています。

ベトナムはこれら3つの世界遺産がすべて揃っています!特に3つ目の複合世界遺産は、世界でも非常に珍しいです。ちなみに、日本には複合世界遺産はありません。以下ベトナムの世界遺産リストになります。

名称 登録年月日 カテゴリー
フエの建造物群 1993年 世界文化遺産
ハロン湾 1994年 世界自然遺産
古都ホイアン 1999年 世界文化遺産
ミーソン聖域 1999年 世界文化遺産
フォンニャ・ケバン国立公園 2003年 世界自然遺産
タンロン王城遺跡 2010年 世界文化遺産
ホー朝の城塞 2011年 世界文化遺産
チャンアンの景観関連遺産 2014年 世界複合遺産

ベトナムの世界遺産を北から南に順番に解説!

それでは、ここからはそれぞれの世界遺産を北から南へ順番に解説していきます。実際にベトナムで世界遺産巡りをする際は、北部の世界遺産が集中するハノイからスタートし、中部の都市ダナンを目指すルートが効率的です。

ちなみに、ホーチミンを中心とする南部には世界遺産はありません。ちなみに「ネクスト世界遺産」と呼ばれるノミネートされている世界遺産は多数あります。ベトナムのネクスト世界遺産はこちらの記事をチェック!

ベトナムの「ネクスト世界遺産」へ行こう!観光客が知らない“ノミネート候補”の魅力を紹介

ハロン湾

ハロン湾はベトナム北部のクアンニン省に位置する、世界自然遺産です。その名前はベトナム語で「下りる龍」という意味を持ち、約1,600以上の石灰岩の島々と岩礁が創り出す景観は息をのむような美しさがあります。

近年では、映画のロケ地やアニメのイメージ元にも使われ、キングコングの「髑髏島」のモデルになったり、一節にはドラゴンボールの「ナメック星」のモデルの一つとも言われています。名実ともにベトナム屈指の世界遺産と言えるでしょう。

ハロン湾への行き方

ハロン湾へ行く方法は、ベトナム北部の首都ハノイから片道約3時間のツアーバスに乗り、ハロン湾があるクアンニン省の港に向かいます。その後、そこからクルーズ船に乗り換えて沖合を目指す方法が一般的です。

ハノイからの日帰りも可能ですが、特に人気が高いのがクルーズ船に泊まるプランです。日帰りでは行けない奥地まで向かうため、壮大な石灰の間に沈む夕日を眺めることができます。

ハロン湾へのツアー情報

ハロン湾へのツアーは、ハノイから多数の日帰りツアーが出発しています。ほとんどの場合、ハノイからハロン湾までの往復移動と日帰り湾内クルーズがセットになっています。仙台から松島へ行くイメージに近いです。

宿泊ツアーの場合も同様で、ハノイからの往復移動とクルーズ船への宿泊がセットになっています。各プランの値段やクオリティはピンからキリまであるので、希望に合うプランを比較検討してみてください。

チャンアンの景観関連遺産

チャンアンの景観関連遺産は、ベトナム北部のニンビン省に位置する重要な世界遺産です。カルスト地形に特徴付けられる地域で、石灰岩の山々、河川、湖、洞窟が複雑に絡み合った壮大な景観をみつことができます。

また、約1,000年前のベトナムの首都であったことから、寺院、塔、王宮の遺跡などの歴史的建造物が多数残されています。その美しい景観と歴史的遺跡を手漕ぎボートに載って川下りするアクティビティが人気です。

チャンアンへの行き方

チャンアンへの行き方は、ハノイ発の日帰りツアーに参加するか、ハノイの主要なバスターミナルから出ているニンビン省行きのバスに乗っていく方法があります。ニンビン省内にも、タクシーやグラブなどの移動手段もたくさんあります。

また、統一鉄道に乗っていくことも可能です。ハノイから出ているホーチミン行きに乗れば必ず停車します。チャンアンを有するニンビン省はベトナム屈指の景勝地として知られ、「複合世界遺産」の所以たる絶景がたくさんあるので、宿泊もおすすめです!

チャンアンへのツアー情報

チャンアン観光を目的とした場合、日帰りツアーに参加して向かうのが手っ取り早くておすすめです!チャンアンには自然遺産や文化遺産が点在しているので、目的地に合わせてツアーを選びましょう。

田園風景の中をクルーズする「タムコック」や、野生のヤギと一緒に俯瞰で世界遺産を眺めることができる「ハンムア寺院」もおすすめです!

タンロン王城遺跡

タンロン遺跡

タンロン王城遺跡は、1010年から1804年にかけて、ベトナムの諸王朝が継続的に都を置いた場所です。各王朝の遺跡が層を成しており、ベトナムの歴史の豊かさと複雑さを物語っています。

内部は発掘作業中の場所、博物館や戦時中に使用された地下壕などがあります。ハノイ市民に愛される遺跡として、ライトアップやライブイベントも催されています。

タンロン王城遺跡への行き方

タンロン王城遺跡は、観光地として有名なハノイ旧市街の直ぐ側にあるため、タクシーやグラブ、徒歩でも簡単に行くことができます。ただし、夜はかなり暗くなっている通りもあるため、注意しましょう。

筆者は、ハノイ在住時代はよくタンロン遺跡をぐるっとランニングしていました!朝の時間帯や夕方の時間帯は散歩やランニングをする人たちもたくさんいます。ホーチミン廟や国会議事堂など名だたるシンボルがたくさんありますので、おすすめです。

タンロン王城遺跡へのツアー情報

タンロン遺跡のツアーは、ほとんどの場合、市内の名所を巡るツアーの一部として組み込まれていることが多いです。特に歴史がある建物なので、日本語ツアーがおすすめです!

当社のツアーでは、タンロン遺跡だけではなく、関連する様々な史跡もめぐります。東河門、白馬最霊祠、リータイトー像、タンロン遺跡北門、鎮武観など、それぞれの場所を弊社日本語ガイドが丁寧に歴史を説明させて頂きます。

ホー朝(胡朝)の城塞

ホー王朝の城壁

ホー朝(胡朝)の城塞は、ベトナム北部のタインホア省ヴィンロック県で発掘された、15世紀のベトナムのホー朝によって建設された歴史的な要塞です。ホー朝は1400年から1407年までの極めて短い期間、ベトナムを支配した王朝です。最終的に明によって滅ぼされてしまいました。

ベトナムの歴史を語る上で、極めて重要な遺跡ですが、その短命さから、現在は城塞が残るのみとなっています。タインホア省は、16世紀から18世紀まではベトナム中北部の政治、経済、文化の中心地であり、あの「フォー」発祥の地としても有名です。

ホー朝(胡朝)の城塞への行き方

ホー朝(胡朝)の城塞への行き方は極めて難しいです。もともと世界遺産としてもかなりマイナーで人気がないため、ベトナム現地の旅行会社でもツアーを催行している会社がほとんどありません。

現実的な行き方としては、ハノイから日本語ガイドとハイヤーをチャーターして、プライベートツアーとしてアレンジしていく形になります。タインホア省までは片道約3時間、朝早く出発すれば日帰りも可能です。

ホー朝(胡朝)の城塞へのツアー情報

ホー朝(胡朝)の城塞へのツアーはほとんどありません。前述の通り自らアレンジして向かう形をおすすめします。ツアーや移動手段が難しい胡朝の城塞ですが、個人的には、ベトナムでも特に大好きなスポットの一つです。

タインホア省の豊かな自然の中にポツリと残された巨大な城塞跡が、過去への想像をかき立て、歴史のロマンスを感じさせるのかもしれません。城門の一部がなぜここに残っているのか、そしてかつて誰がこの城壁を現代まで守り抜いたのかを考えると、好奇心が湧きます。

フォンニャ・ケバン国立公園

フォンニャ・ケバン国立公園は、ベトナム中部のクアンビン省に位置する壮大な自然公園です。この公園は、特にその巨大な地下洞窟が有名であり、「地上の宇宙」と評される世界最大の洞窟の一つである「ソンドン洞窟」がここにあります。

2003年にユネスコの世界自然遺産に登録されたばかりで、その地質学的、生態学的価値により世界的な注目を集めています。またベトナム戦争時代の歴史遺産としての研究も進んでいます。

フォンニャ・ケバン国立公園への行き方

一般的な行き方は、中部の世界遺産都市「フエ」から日帰りツアーやバスに乗っていきます。観光都市として有名なダナンから向かう場合は、貸し切りチャーターなどで明朝に出ることでギリギリ日帰りが可能です。

また、フォンニャ・ケバン国立公園のすぐ近くにあるドンホイ市には、統一鉄道の停車駅があります。ハノイ、フエ、ダナンなどの都市からドンホイまで鉄道で向かい、ドンホイを拠点として、国立公園の洞窟を巡ることもできます。

フォンニャ・ケバン国立公園へのツアー情報

フォンニャ・ケバン国立公園へのツアーは前述の通り、その殆どがフエから出ています。ツアーの行き先は大きく分けて「ソンドン洞窟」「フォンニャ洞窟」「天国洞窟」「ダークケイブ」などがあります。

それぞれの洞窟で体験できるアクティビティが違うので、目的に合わせたツアーに参加するようにしましょう。いずれのツアーも険しい洞窟を進むことになりますので、雨具を用意しやトレッキングシューズなどでの参加が望ましいです。

フエの建造物群

フエの建造物群は、ベトナム中部のフエ省にある歴史的な遺跡群です。1993年にベトナム最初の世界文化遺産に登録されました。この遺跡群は、1802年から1945年までベトナムを統治した阮朝(グエン朝)の首都だったフエ市に位置しています。

近代ベトナムの歴史を象徴する遺跡群となっており、ベトナムの伝統的な建築様式、中国に影響を受けた建築様式、フランスの影響を受けた新しい建築様式の融合を示しています。当時のユネスコの事務局が発した「建築上のポエム」と言う表現で知られています。

フエの建造物群への行き方

フエの建造物群を有するフエはベトナムでも屈指の大都市です。かつての首都であったこともあり、大学や文化系の施設が集中しています。ハノイからは飛行機で1時間、ホーチミンからも飛行機で1時間、ダナンからは車で3時間です。

また、統一鉄道や国道一号など陸路の拠点となっているため、各都市からのアクセスは容易です。フエを拠点に、世界遺産のフォンニャ・ケバンや、戦争遺産のロックパイル基地などを巡ることができます。

フエの建造物群へのツアー情報

フエの建造物群へのツアーは中部ベトナムの定番観光となっています。王宮を巡るツアー、帝廟を巡るツアー、関連史跡を巡るツアーなど、様々なプランが用意されています。京都観光のイメージがぴったりかも。

フエの建造物群へのツアーは特に日本語ガイドツアーをおすすめします。近大ベトナムの歴史が詰まった史跡をただ眺めるだけではもったいない!日本語ガイドと一緒に巡ることで、より理解が深まります。

古都ホイアン

古都ホイアンは、ベトナム中部のクアンナム省に位置する歴史的な町です。この町は、15世紀から19世紀にかけて重要な貿易港として栄え、中国、日本、ヨーロッパの影響を受けた建築様式が融合しています。

街の中心を流れるトゥボン川の渡し船や、灯籠流し、ランタンの街としても知られており、夜の景観は幻想的で本当に綺麗です。ベトナム屈指の写真映えスポットとして女性人気も高いスポットです。

古都ホイアンへの行き方

ホイアンエリアの中でも最も歴的建物が集中する「ホイアン旧市街」へは、ベトナム中部最大の都市、ダナンから車で40分ほどになります。また観光地としても人気があるため、ベトナム各都市のバスの降車地となっています。

ホテルなどから巡回バスも出ており、ダナンからのアクセスは非常に良いと言えるでしょう。またホイアン市街にもホテルが沢山あるため、ホイアン市街に泊まるのもおすすめです。

古都ホイアンへのツアー情報

ホイアンへのツアーは、そのほとんどがダナンからの日帰りツアーになります。後ほど紹介する「ミーソン聖域」と近い場所にあるため、ミーソン聖域とセットで催行される場合が多いです。

また、夜の市街を散策するナイトホイアンツアーや、トゥボン川の川下りツアーも人気があります。歴史的建造物がたくさんある街なので、ぜひ日本語ガイドの詳しい案内とともに訪れてみてください。

ミーソン聖域

ミーソン聖域

ミーソン聖域は、ベトナム中部のクアンナム省に位置する重要な考古学的遺跡群です。この聖域は、4世紀から13世紀にかけて栄えたチャンパ王国の宗教的中心地であり、ヒンドゥー教の影響を受けた建築物が特徴です。

1999年にユネスコの世界文化遺産に登録され、東南アジアにおけるヒンドゥー教建築の重要な例とされています。またベトナム戦争の爆弾による被害の跡も見ることができます。

ミーソン聖域への行き方

ミーソン聖域へは、基本的に日帰りツアーで参加する形が一般的です。個人で行く場合は、ダナンやホイアンからタクシーやグラブで向かう形になります。ダナンからは車で50分ほど、ホイアンからは車で20分ほどになります。

ジャングルの中にあるため、基本的に往復料金になります。チケット代なども考えるとツアーに参加したほうがお得に行くことができるでしょう。

ミーソン聖域へのツアー情報

ミーソン聖域へのツアーはダナンやホイアンから日帰りツアーが多数出ています。殆どが午前出発の半日ツアーとなります。またダナンから出発する場合、ホイアン観光とセットで催行されることが多いです。

ミーソン聖域は特にジャングルの中にあるため、日差し対策、蚊対策、雨対策をしっかり行った上で参加しましょう。

ベトナムで世界遺産巡りを楽しみましょう!

以上、ベトナムの世界遺産をまとめてご紹介いたしました。筆者は一応すべての世界遺産に行ったことがありますが、どの世界遺産も見応え抜群で、一見の価値のあるものばかりでした。

アクセスも良い場所が多いため、お時間がる方はベトナムを周遊する世界遺産巡りをお楽しみください!もちろん、ツアーのご相談は私たちまでお気軽にご相談ください!それでは!